思い出の小箱


 










ここ10年ほど続けてきた国内、国外の旅行を順不同ですが少しずつ思い出しながら振り返ってみようと思います。
デジカメを使い出したのは10年くらい前からですから、それ以前の写真はアルバムに貼ってある写真をスキャナーでコピーしたものをのせます。デジカメに比べると画素数がぐんと落ちますので映像が荒くなりますが、これはやむおえないところです。
 
 

私がトレッキングを始めたのはいつか?と聞かれてもはて?
そうそう思い出しました。初めて山に登ったのは高校3年のときに北海道のニセコかもしれません。
そのころ父の転勤先の北海道岩見沢に住んでいて、ニセコアンヌプリや空沼岳、大雪山などに誰かに誘われてついて行って、山登りの楽しさを覚えました、
結婚した相手も山が好きで高校、大学と信州の山々を歩き回っていたそうです。
そんな二人が出会ったわけですから当然暇ができると歩き回っていたような気がします。
二人で出かけたのはそう高い山ではなく、登山というよりトレッキングが多く、立山、八ヶ岳、九州の九重岳などを歩きました。もう記憶から消えている山も多いと思います。

前にも書きましたが連れ合いの定年退職を機に、海外の山も歩いてみたいなという事になり、スイスを皮切りにあちこちと毎年でかけていました。
今になると思い切って出かけておいて本当に良かったと思います。今や体力、金力不足で行きたくても諦めざるを得ません。
それで、せめて記録だけでも残しておきたいとアルバムを繰りながら、思い出を書きだしていこうと思います。
  オーストリアチロルとドロミテハイキング10日間 (朝日サンツアーズ)  1993年6月
トレッキングを始めたらだんだんと欲が出てきて、スイスアルプス、フランスアルプスを歩いてみたら今度はオーストリアアルプス、イタリアアルプスにも行ってみたくなりました。
旅行会社というのはそういう中毒患者の心理をよくわきまえているらしく、「ご要望にお応えして」というツアーがいろいろあります。
今回はオーストリアのインスブルックからスタートしてチロルアルプスの一部のホッホセルデン、オーバーグルグル、ホーエムートといっただいたい2600メートルくらいの山を歩きました。この山のトレッキングは案内してくれるのが70歳はとうにすぎたという楽しいおじいちゃんの二人組でした。
しかし、トレッキング中に初めて山歩きに参加したという中年の女性が山道で松ぼっくりを踏んで足をくじいてしまい、歩行困難になってしまうというアクシデントがありました。
おじいちゃん二人が山小屋から下の救護所に連絡をとり、間もなくヘリが飛んできてその女性をのせて降りてゆきました。
さすが、山の国と感心したものです。当時日本でそういうことがあった場合はヘリが飛ぶという事はまだなかったと思います。
下から救助の人が上がってくるのを待ち、その人たちに運ばれていくというのが普通でした。
一度、北海道の大雪山黒岳に上っていた時、軽装の女性がやはり足を痛めて歩けなくなったのですが、誰かが急いで下の救護所に降りてゆき、間もなく屈強の男性が二人で上がってきて女性を背負って駆けるように山を下っていくのを見たことがあります。

よく雪山で遭難してヘリで救助という場面をテレビなどで見ますが、それはものすごくおおごとのような気がします。
それが、チロルでは「あ、そう」と簡単に飛んできて簡単に降りて行ったのですからびっくりするのは当然です。



チロルで足慣らしをして、今回のメインのドロミテハイキングにのぞみました。

ドロミテといえばこの三つの岩が連なった「トレチメ・デ・ラバレド(三人娘)}が有名です。

ここでのエピソードはこのハイキングのガイドをしてくれたイタリア人のエンリコが教えてくれたことです。
翌年封切りになった映画「クリフハンガー」の撮影をこのトレチメで行い、主役のシルベスター・スタローンを岩の上まで連れて行ったそうです。
この映画は舞台はカナダのロッキー山中という設定なのですが、ロッキーでは迫力が出ない場面をここで撮ったということでした。

ドロミテはほとんどが岩山で、森の中を歩くチロルとはかなり趣が違いました。こんな風景の中を一日歩きました。



       








その後はオーストリアの最高峰グロース・グロックナー(3798m)を望む山岳道路を通り、パステルツェ氷河などにも下りてみました。バスで行けちゃう氷河なんて日本にいては想像もできないことです。

下の写真はその日の宿泊地ハイリンゲンブルートです。
ハイリンゲンブルートとは聖なる血という意味。その名のの通り10世紀にキリストの血を持って旅をしていた東ローマ帝国の官吏がこの地で行き倒れになったことに由来し、今も小さな山村には不似合いな立派な教会にその血が祀られています。カトリックの信者にとっては重要な巡礼地とききました。

教会とホテルのみの静かなリゾート地で、ゆっくりと登山の疲れを取ることができました。


















最後はザルツブルグに降りて、モーツアルトの生家、聖堂、
祝祭劇場など見学でした。

2012/4/7


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